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L-INSIGHTについて

事業概要

L-INSIGHTが定義する世界視力

L-INSIGHTが定義する世界視力とは、時間、地理、学問分野、セクター、文化圏などの境域を越えて見渡し、見抜き、見通す力です。


Overviewプログラム創成の背景及び期待

「世界視力を備えた次世代トップ研究者育成プログラム」(通称L-INSIGHT)は、2019年11月に文部科学省による令和元年度科学技術人材育成費補助事業の「世界で活躍できる研究者戦略育成事業」の採択を受け事業を開始し、学際融合教育研究推進センター次世代研究創成ユニットに若手研究者戦略育成拠点を設置しました。本プログラムを策定した背景としては、若手研究者が世界トップクラス研究者となるために重要な分野・地理・産学を越えた研鑽経験が得にくいばかりでなく、一時的な異分野・異文化交流を経ても、その経験が学際的な融合研究、境界領域や新領域の研究になかなか結実しない、という現状があげられます。

本事業の目的は、2030年代に世界一級の研究者と成り得る、世界視力を備えた次世代トップ研究者を育成するためのプログラムを開発及び実施し、改善を経て総合化・体系化したプログラムを開発し普及してゆくことです。本事業が定義する世界視力とは、時間、地理、学問分野、セクター、文化圏などの境域を超えて見渡し、見抜き、見通す力としています。グローバル化がいっそう進展し、学術・産業界における国際競争が激化・変化するなか、日本の学術研究が、将来にわたり社会に負託された役割・使命を持続的に果たし、国際的な地位を向上するためには、世界視力を備えた次世代研究を牽引する世界トップクラスの若手研究者の育成が必須と考えています。L-INSIGHTが支援する若手研究者たちの活躍が学術や産業のプレゼンスを高めるとともに、豊かな文化の発展、未来社会の持続性へとつながるものとなることを期待しています。

国際的な人財育成の経験が豊富な教育研究者及び部局が連携し運営するL-INSIGHTは、これまでの若手研究者育成の国内外の事例を調査し、京都大学の取組を応用するとともに、組織的に国際的且つ産学の枠を超えたL-INSIGHTの開発にあたります。 コアとなる若手研究者(以下、「L-INSIGHTフェロー」という。)には、パートナー機関(学外の教育・研究機関、企業から成る)及び海外連携機関等に所属する研究者との交流機会を提供しつつ、フェロー自らが目標を明確化する支援を行い、目標達成のために各々が必要としているマインドセットとスキルセットから成る「世界視力コンピテンシー」の理解・獲得・強化に働きかけます。

L-INSIGHTは従来のスキルアップを中心とした若手研究者の育成方法にとらわれず、新たな研究者育成・支援を実施します。すなわち、若手研究者の競争力及び優位性の源泉となる優れた世界視力コンピテンシーとして重要な、チャレンジ精神、協創性、未来志向等のマインドセットの醸成・活性化に取組みます。並行してプロジェクト実務力、成果発信力等のスキルセットの育成・強化も行います。

世界視力の構成要素

世界視力は次世代研究者にとり重要な3つの領域からなる。世界視力コンピテンシーはこれら3つの領域にまたがって必要とされる特性、姿勢(意志、意識)とスキル。

受講年数はルール化していませんが、概ね3年前後で各フェローが目標を達成できることを想定しています。世界視力コンピテンシーの3つの領域にまたがるマインドセット・スキルセットの習得に関する達成度をフェロー自らが評価するにあたり、基幹プログラム群と実践プログラム群の受講等の活動記録を残し、名誉教授メンター・受講支援メンターとの対話も通じて改善を試み、能力向上に繋げることが期待できます。なお、L-INSIGHTフェローの個性を活かし、研究活動の長期的な目標設定を促すため、実践プログラム群では〈国際連携型〉及び〈産学連携型〉の2つのアプローチを併用します。どちらか一方に注力するか、両方を目指すかは、L-INSIGHTフェロー自らが選択します。

なお、L-INSIGHTの受講終了者には、若手研究者が交流する機会に継続的に参加し、若手研究者コミュニティの構成員であり続けていただきたいと考えています。さらに、受講中のL-INSIGHTフェローに対して助言するメンター的な存在となる終了者が、数多く現れることを期待しています。